理由1 税金負担が毎年約〇万円減る
年収600万円の会社員の方が、選択制DCに加入した場合のメリットを試算しながら、選択制DC最強7つの理由を解説していきます!
前回、DCには、2つの種類があることをお話ししました。(前回はこちら)
(1)わたしたち個人が掛け金を積み立てる「個人型」DC
(2)それぞれの企業が掛け金を積み立てる「企業型」DC
その中でも、(2)の「企業型」DCは、本来企業が掛金を上積みするのですが、従業員の給与から掛金を捻出し、加入するか否かを従業員に選ばせるかたちで導入している企業も多く、こうした手法は「選択制DC」とよばれています。
この選択制DCでは、従業員が下記のAかBかを選択します。
(A)従業員がDC掛金として積立てする。
(B)DCに積み立てずに給与として現金でもらう。
選択制DCを会社が導入しても、従業員はその制度を利用するかしないか自分で選ぶことができ、掛金積立をしなければ、(B)のように今まで通りの給与をもらうことができます。
一方で(A)の「DC掛金として積立て」を選択した従業員は、その分の給与が少なくなりますが、単純に損得を考えた場合、(A)を選んで掛金とした方が有利です。
毎月積み立てる掛金の全額が、税金を計算する際の所得から差し引かれ、所得税や住民税、さらに社会保険料も連動して安くなるからです。これこそ、選択制DCが持ついくつかの節税メリットの中で、最も金額的インパクトが大きいポイントです。
では、会社員Aさんを例にして、選択制DCの節税効果をシミュレーションしてみましょう。
会社員Aさんが毎月2万3000円を選択制DCで積み立てた場合、
所得税:2.3万円×10%=2,300円
住民税:2.3万円×10%=2,300円
社会保険料:2.3万円×14%=3,220円
1カ月当たり約7,800円、1年間で約9万円の負担軽減
※社会保険料14%、所得税・住民税率10%で概算計算。
なんと、Aさんの場合、年間約9万円も税金を「節約」できる試算結果となりました。ちなみに、所得の多い人や、DC掛金をもっと多く払える人ほど節税効果は大きくなります。
選択制DCを使って年間27.6万円を積立てると、約9万円になります。つまり、掛金額27.6万円に対して約32%税負担が軽減されることになります。仮に、DCの運用商品を定期預金とした場合、考え方によっては利回りが30%以上になるとも言えます。
(9万円÷27.6万円=32% ※厳密には利回りそのものが32%になるわけではありません)
ところで、従業員にとっては、選択制DCも「個人型」も積立している掛金の出所は、実質自分の給与であるということにお気づきでしょうか?
選択制DCは「企業型」ですから、「企業型」と「個人型」の違いがありますが、実質的にやていることは変わりません。
ところが、得られる節税効果は、「個人型」の場合「所得税と住民税」だけで、選択制DCの場合は「所得税、住民税と社会保険料」の効果を得ることができます。このように、効果に違いが出てくるのはしくみ上のお話になり、説明すると長くなりますので今回は割愛しますが、実質的にやっていることは同じでも、最終的に得られる節税効果を考えると、実は選択制DCで積立したほうがお得になります。
ただ、選択制DCは「企業型」に名分類されるので、会社が導入しないと利用することができません。
もし、個人型DCを利用している方で、お勤め先に「企業型」DCが導入されていなければ、一度この選択制の導入を会社に検討してもらってはいかがでしょうか。
ただ、社会保険料が安くなるということは、厚生年金や健康保険などの保険料を決める「標準報酬月額」の等級も下がっているということになります。
標準報酬月額は、前年の4~6月のお給料を平均して、○○円~○○円は○○等級、と等級ごとに段階的に分けられています。その標準報酬月額の等級が下がると、目先の社会保険料が下がるメリットがある代わりに、将来受け取る厚生年金の額や社会保険から受け取る給付も減ってしまうデメリットもありますから、「いい点・悪い点」をよく把握しておきましょう。


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