2月末から始まったテレワークだったが、3月の緊急事態宣言によって、当社のテレワークも継続することになりました。「テレワークやってみたらこうなった」から「テレワーク続けてみたらこうなった」の2ndシーズンに突入というわけです。
当社では、5月末日をもって、2ndシーズンの終了を迎えますが、トータル約3ヶ月間のテレワークを通して、考えさせられたことは次の2つでした。
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1.マネジメントのスキルアップは必須である。
2.テレワークの本質的なメリットは「生産性の向上」だけではない。
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本コラムでは、「マネジメントのスキルアップ」についてあくまでも、客観的な数字などなく、あくまで主観的な話となりますが、体験を通じて感じたことや変化をお話ししたいと思います。
■懸念していたこと
正直にお話ししますと、私自身、部下に対する業務指示が曖昧なことが多く、テレワーク開始前から、スキルアップが必要だと感じてい部分でした。
出社して、机並べて仕事ができれば、多少指示があいまいでも(笑)部下の作業を横目で見えれば、ちょっとした指示がすぐできますし、双方で解釈しながらやり取りを行うといったことは日常茶飯事です。
しかし、テレワークに切り替わった際、仕事ぶりを直接見ることができなくなるので、当然、上記のような「空気」ありきのワークスタイルを前提としていると、チーム全体を回すのは難しくなるだろうなぁとは感じていました。
■失敗からの改善
そんな懸念がありましたので、3月頃までは(単純でお恥ずかしいですが)「短いFact to Faceの会議」を多くしていました。なるべく電話やオンライン会議ツールを使って、「空気」ありきのワークスタイルを再現しようとしたわけです。
電話やオンライン会議ツールを使えば、多少「ふわっ」とした指示でも、資料の共有やアウトプットの共有ができていますし、完ぺきではないものの、「空気」ありきのワークスタイルは再現できます。
ただし、こうしたコミュニケーションが1日の大部分を占めるようになります。
「ふわっ」とした指示をしているので、双方で相談や確認が必要になることが多く、それを確認できなければ、作業が詰まるわけです。こちらとしても優先的に対応するわけで、そうこうしていると自分の本来業務が都度止まります。
「これではまずい」と反省し、ちょうど新年度の開始にあわせ、4月の目標設定時において、部下には、自身のMBOにあわせて設定したKPIを1週単位までタスクブレークしてもらい、スケジュールを相談しながら大体のマイルストーンを握りました。
また、私自身のコミュニケーションの方法も、例えば、「◯◯作業の件、概要を、A4、1枚程度、明日午前中までにまとめて」といったように、具体的にもれなく内容を盛り込むようにしました。さらに、1時間で出来る範囲で、とか、デザインはフォント整える程度でとか、アウトプットの質のイメージも含めてより具体的に伝えるようにしていました。
こちらが伝えたいことははっきりと明確に、詳細にイメージできていないと、指示ができない分、よいマネージメントのトレーニングにはなったように思います。
■マネージャー層の育成がますます重要になる。
まだまだ完ぺきには出来ていませんが、3月に比べれば、チーム全体が自律的に動きはじめたかな、と感じています。
こうしてみると、
「適切な目標設定からのタスクブレーク」が適切におこない、
それを通してより具体的に指示を出すこと、
が改善したポイントだったのですが、
これは、テレワークだから必要なスキルというよりは
テレワークになって顕著化した不足スキルに過ぎないと思います。
今回、テレワークの普及が進んだのは、新型コロナウィルスという外圧があったからともいえますが、今後も社会全体はテレワークの普及を進めていくことになるでしょう。というより、その本質的なメリット(詳細は次回お話ししますが)を考えれば、テレワークを推進せざるを得ないと思います。
そうなると、企業としては、人事制度やオンラインツールの導入、セキュリティ面などハード面の整備だけでなく、マネージャー層の育成といったソフト面も同時並行で進めることが重要になってくるのではないでしょうか。


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