SDGsロゴの使い方|名刺・HP・社用車への使用可否と国連の許可が必要なケース

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SDGsのカラーホイールやロゴは、企業が自由に名刺や社用車に付けてよいものではありません。国連のガイドラインは、目的が情報提供にとどまる使い方と、商業用途や資金調達にあたる使い方を分けています。この記事では、広報・総務担当者が判断に迷いやすい名刺・ホームページ・社用車を例に、許可が要るかどうかの見分け方と申請の流れを、国連広報センターの公表資料に基づいて整理します。

SDGsロゴとは、「持続可能な開発目標」の文字と17色のカラーホイールを組み合わせた、国連のロゴのことです。SDGsロゴの使い方、とくに名刺に使ってよいかは、広報や総務の担当者が判断に迷いやすい点です。自社の取り組みを説明する資料への使用は認められますが、名刺や商品の宣伝のように自社の宣伝にあたる使い方は、国連への確認や許可が必要です。

SDGsロゴの使い方は?名刺に使ってよいかを先に結論から

国連の公表資料を読むと、判断の軸は「何に使うか」の一点に集約されます。企業が自社のSDGsの取り組みを説明するために使う場合は、国連への事前の許可は不要とされています。反対に、商品やサービスの宣伝、資金調達、自社の利益につながる使い方は、国連の許可が必要か、そもそも認められません。

名刺については、国連の英語版FAQが「名刺や文具にSDGsロゴ・カラーホイール・アイコンを使えますか」と問い、「いいえ」と答えています。日本語版FAQに同じ問いへの明確な「いいえ」はありません。ただし、国連が支持しているように見せる使い方と、自己宣伝のための使い方を禁じる説明があります。両方を合わせると、名刺への使用は避けるか、事前に国連へ確認するのが安全です。

ロゴ・カラーホイール・アイコンの違い

SDGsに関するマークは3種類あります。1つ目は、「持続可能な開発目標」の文字とカラーホイールを組み合わせたロゴです。2つ目は17色が輪になったカラーホイール、3つ目は17の目標それぞれのアイコンです。アイコンは17個をまとめても、1つずつでも使えますが、番号と絵柄を1つの単位として扱う決まりがあります。

企業が使えるのは「国連マークなし」の版

ロゴには2つの版があります。国連のエンブレムが付いた版は国連の機関向けで、企業は使えません。企業を含む国連以外の主体が使うのは、エンブレムのない版です。国連の英語ページも、エンブレム付きは国連システムのパートナー向けとし、ほかの組織にはエンブレムなしの版を求めています。

名刺・ホームページ・社用車に使ってよいか

代表的な使い方ごとに、国連の資料から読み取れる考え方を整理します。表の「考え方」は、ガイドラインの原則を当てはめた整理です。個別の事案を国連が判断したものではない点に注意してください。

使い方 許可の要否 考え方
社内向けの説明資料・プレゼン 事前許可は不要 自社の取り組みを示す情報目的の使い方
年次報告書・統合報告書など 事前許可は不要 非財務報告書や年次報告書は、国連のFAQが例に挙げている
ホームページの取り組み紹介ページ 情報目的なら不要 商品の宣伝と結び付く場合は商業用途と見なされる恐れがある
名刺・封筒などの文具 避けるか要確認 国連の英語版FAQは「いいえ」と回答している
社用車のラッピング・ノベルティ・商品 国連の許可が必要となる可能性が高い 商業・宣伝目的の使い方に近い
寄付集めやイベント参加費を伴う使い方 事前の書面許可が必要 資金調達や有料イベントにあたる

名刺・封筒などの文具は避けるのが無難

名刺は、取引先に自社を紹介するための道具です。そこにSDGsロゴを入れると、国連が自社やその事業を支持しているように受け取られかねません。ガイドラインは、国連が特定の企業や商品を承認しているかのような使い方を禁じています。国連の英語版FAQの回答もこの考え方に沿っています。

名刺で取り組みを伝えたい場合は、ロゴを使わず、文章で書く方法があります。たとえば「SDGsの目標8(働きがいも経済成長も)に取り組んでいます」のような書き方です。ロゴを使いたいなら、国連に使い方の見本を示して、事前に確認するのが確実です。

ホームページは「何のページか」で分かれる

国連のFAQは、営利企業が自社のSDGsの取り組みを示す場合を、許可が要らない使い方として挙げています。例は、プレゼン資料、社内報、非財務報告書、年次報告書などです。ホームページの「サステナビリティへの取り組み」のページは、これに近い使い方と考えられます。

一方、商品の販売ページや広告にロゴを置くと、国連が商品を推奨しているように見えます。この場合は、許可が要らない使い方の範囲を超えるおそれがあります。取り組みの書き方の点検は、SDGsウォッシュ対策|2026年改定の環境表示ガイドラインで中小企業が点検すべき表現と手順も参考になります。

社用車・ノベルティ・商品は許可が必要となる可能性が高い

社用車の車体は、不特定多数の人の目に触れる宣伝の場です。ノベルティや商品への印刷も、ガイドラインのいう「商業用途」に近い使い方です。商業用途は、国連の事前の許可とライセンス契約があって初めて認められる場合がある区分です。申請時には、事業の持続可能性、使う素材、商品とSDGsの関係の説明を出します。

社用車の例は、国連の資料に直接書かれていません。ガイドラインの原則から考えた整理ですので、実際に使う場合は国連の判断を仰いでください。

国連の許可が必要なケースはどれか

ガイドラインは、使い方を目的別に3つに分けています。どれにあたるかで、許可の要否が決まります。

情報目的・資金調達目的・商業用途の3区分

情報目的とは、主に説明のための、非商業かつ資金調達ではない使い方です。国連の事前許可もライセンス契約も要りません。

資金調達目的とは、SDGsを支える活動の費用を集めるための使い方です。国連の事前許可とライセンス契約が必要です。自社のロゴをSDGsロゴより目立たせる決まりもあります。

商業用途とは、営利企業がSDGsの普及のために使う場合や、商品・販促物に使う場合です。国連の事前許可とライセンス契約があって初めて認められることがあります。

書籍・有料イベントも許可の対象

紙や電子の書籍、雑誌、報告書にSDGsロゴを使う場合は、事前の書面による許可が必要です。参加費を取る会議やセミナーで、案内状・チラシ・バナー・ポスターに使う場合も同様です。自社主催の有料セミナーの告知に使うときは注意してください。

許可が不要な場合でも守る条件

事前許可が不要な情報目的の使い方でも、守る条件があります。

第一に、自社のロゴとSDGsロゴまたはカラーホイールを並べるときは、文言を添えます。内容は「(主体名)は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています」という趣旨のものです。この文言がない並置は認められません。並べ方は、自社ロゴ、縦線、SDGsロゴまたはカラーホイールの順で、その下に文言を置く形が示されています。

第二に、国連が自社を承認しているように見せないことです。ロゴやアイコンを自己宣伝や個人の金銭的利益のために使うことは、禁じられています。

第三に、国連の英語ページが求める表示です。オンラインや印刷物に、国連のSDGsサイトへのリンクと、内容が国連に承認されたものではない旨の英文を付けます。正確な英文は、国連のページで確認してください。

第四に、使用期間です。ガイドラインでは、国連から別の通知がない限り、2030年12月31日までの使用とされています。

ロゴを加工するときの禁止事項

許可の要否とは別に、ロゴそのものの扱い方にも決まりがあります。ガイドラインに書かれた主な禁止事項は次のとおりです。

  • ロゴの引き伸ばしや圧縮、要素の配置換え、書体の変更、影の追加、他の色との混合、立体加工
  • カラーホイールの色の変更、一部の切り取り、色付きの箱への配置、中心への着色
  • カラーホイールの内側に、アイコンやSDGsロゴ、自社ロゴを置くこと
  • アイコンの変形、アイコン同士の色の入れ替え、一部のアイコンだけを選んだ恣意的な並べ方
  • SDGsロゴやアイコンの要素を、自社ロゴなど別のロゴのデザインに組み込むこと

背景にも条件があります。カラー版は、白か明るい灰色(R241 G241 B241)の背景に置きます。白いロゴはSDGsの各色の上に置けます。黒いロゴは白黒表示が必要なときだけ、白い背景で使います。ロゴの周囲には、約2.25平方センチメートルの余白が必要です。

とくに注意したいのは、自社ロゴとの組み合わせです。SDGsのカラーホイールを取り込んだ新しいロゴを作ることは認められていません。社章や社名ロゴの中にカラーホイールを入れるデザインは避けてください。

国連へ許可を申請する手順

許可が必要な使い方をしたい場合の流れは、次のとおりです。

  1. 使い方が情報目的・資金調達目的・商業用途のどれにあたるかを決める
  2. 国連広報センター(UNIC)が公開している日本語のガイドラインとFAQを読む
  3. 使い方の具体的な見本(モックアップ)と、用途の短い説明を英語で用意する
  4. 国連本部の窓口へ英語で申請する
  5. 許可とライセンス契約の内容を確認してから使い始める

2019年版のガイドラインは、申請先をメールアドレス sdgpermissions@un.org とします。件名は「SDG LOGO/ICON REQUEST」と大文字で書く決まりです。一方、国連の英語ページ(2025年7月21日更新)は、商業・資金調達の申請をオンラインのリクエストフォームで受け付けると示しています。窓口が変わる可能性があるため、申請の前に最新のページで確認してください。

国連広報センターは、商業・資金調達以外の使い方については、ガイドラインを参照して良識の範囲内で使うよう案内しています。個別の事案への回答はしていません。判断に迷うときの問い合わせ先は、国連本部の窓口です。

ネクストプレナーズの見解

当社は、中小企業がSDGsを発信するときに伝わるのは、ロゴの有無よりも、何にどう取り組んでいるかの具体性だと考えます。ロゴを使うなら、まず自社の取り組みを説明する資料に添える使い方から始めるのが現実的です。名刺や車両のような自社宣伝に近い使い方は、国連への確認が済むまで控えるのが無難です。宣言の作り方や取り組みの整理は、中小企業のSDGs宣言の作り方|自治体の登録制度の活用と記載すべき項目で解説しています。

この記事が確認した資料の範囲

この記事が基にしたのは、国連広報センターが公開する次の3つの資料です。2019年8月改訂の日本語訳ガイドライン、2020年7月の日本語版FAQ、国連の英語ページ(2025年7月21日更新)です。

国連の英語ページが案内している2023年9月版の英語ガイドラインは、今回開くことができませんでした。内容が更新されている場合があるため、使う前に最新版を確認してください。

監修者について

本記事は、株式会社ネクストプレナーズ 代表取締役社長の仙頭 武宏が監修しています。東京工業大学(現・東京科学大学)工学部制御システム工学科を卒業しました。日本オラクル株式会社では、エンジニア、コンサルタントを経て経営企画室マネージャを務めました。その後、一橋大学大学院商学研究科(現・一橋ビジネススクール)で経営学修士(MBA)を修了しています。独立コンサルタントを経て、2012年より現職です。

本記事は公的機関の公表資料等を基にした一般的な情報です。個別の制度設計・手続きは専門家にご確認ください。

よくある質問

Q. 名刺にSDGsロゴを入れてもよいですか。

避けるか、事前に国連へ確認するのが安全です。国連の英語版FAQは、名刺や文具への使用について「いいえ」と答えています。日本語版FAQにも、国連が支持しているように見せる使い方や自己宣伝を禁じる説明があります。ロゴを使わず、取り組みを文章で書く方法もあります。

Q. ホームページにSDGsロゴを載せるのに許可は要りますか。

自社の取り組みを説明する情報目的なら、国連への事前許可は不要とされています。ただし、商品やサービスの宣伝と結び付けると商業用途と見なされるおそれがあり、その場合は国連の許可とライセンス契約が必要になることがあります。

Q. 自社のロゴとSDGsロゴを並べて使えますか。

使えます。ただし「(主体名)は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています」という趣旨の文言を添える必要があります。文言がない並置は認められていません。自社ロゴとカラーホイールを組み合わせた新しいロゴを作ることも認められていません。

Q. 社用車やノベルティにSDGsロゴを使えますか。

国連の許可が必要となる可能性が高いです。社用車やノベルティへの使用は、ガイドラインのいう商業用途に近い使い方です。国連の資料に社用車の例は書かれていないため、使いたい場合は、使い方の見本を英語で用意して国連本部の窓口に確認してください。

Q. SDGsロゴの使用許可は、どこに申請しますか。

国連本部(ニューヨーク)が一括して扱います。申請は英語で行い、使い方の見本と用途の説明を添えます。2019年版のガイドラインはメールでの申請を案内していますが、国連の英語ページはオンラインのリクエストフォームも示しています。申請前に最新の案内を確認してください。

Q. 国連広報センターに個別の使い方を相談できますか。

個別の事案には回答してもらえません。国連広報センターは、商業・資金調達以外の使い方はガイドラインを参照し、良識の範囲内で使うよう案内しています。商業や資金調達にあたる使い方や、判断に迷う点は、国連本部の窓口へ英語で直接問い合わせます。

出典・参考資料

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人事ブログ編集部
株式会社ネクストプレナーズの編集部です。賃金・報酬、人事評価、福利厚生、社宅、退職金・企業年金、労働組合など、人と制度に関する実務情報をお届けしています。

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