【社長ブログ】After コロナ,中小企業はテレワークを続けるべきか?

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今回は,働き方改革コンサルタント兼中小企業社長として
After コロナの「テレワーク」について考えたいと思います。

新型コロナウイルスが,企業の働き方を大きく変貌させました。
感染症対策のため,テレワークという働き方が中小企業にも浸透し,
「家で働く」というスタイルが社会全体に許容されました。

他方で緊急事態宣言や東京アラートの解除により,
テレワークを終了させ,あくまでも一過性の措置と位置付ける企業もあります。

—After コロナ,中小企業はテレワークを続けるべきか?—

この命題は,「テレワーク導入で生産性は下がらないのか?」という問いにつきるのではないかと思います。

テレワークは,企業にとって様々なメリットもデメリットもあります。
しかし,結局のところ経営視点からいうと,生産性が上がればすべきであり,
下がれば時期尚早あるいは終了となるでしょう。

当社は3月末から5月末までコロナ対策としてテレワーク(在宅勤務)を実施しました。
結果から言うと”当社の生産性は下がりました。”

生産性とは,一般に投入したリソース(労働者の人数や労働時間)に対して
どの程度の生産量(企業が創出したモノの量や価値)があったかを測る尺度です。

ここでの生産量を当社であれば,売上あるいは売上に直結する案件の成約数とするならば残念ながら成果は芳しくありません。

主要因はとにかく担当者へのアポや連絡が取れないことと,プロジェクトを検討できる雰囲気ではないという回答でした。先方の担当者も8割がテレワークでしたが,そのうち 6割が担当者まで繋がりません。また,繋がった場合でも,4割は出社時期まで待ってほしいと言われました。

そのような特殊な状況の2ヶ月という限定的な期間では,生産性を評価することは難しいです。また,それをもって「テレワクークでは生産量が下がる」と結論付けることは短絡的だと思います。そこで,生産量を例えば作成資料数,ウェビナー開催数,アポ獲得数,開発量等個人の生産量に視点を置き換えた場合はどうなるでしょうか。(どちらかというと生産性という言葉よりも仕事の効率という言葉が正しいと思います。)

結論としては,
「現在のように毎日テレワークを継続することは生産性が下がるが,
週1日程度のテレワーク継続は生産性が上がる。」というのが私の見解です。

おそらくですが平常に戻れば,会社としての生産量も同様の結果になると推測します。
したがって,私は「After コロナでも週1日のテレワークの継続」をオススメします。

それでは,毎日のテレワークを継続をオススメせず,週1日のテレワークをすすめる理由をそれぞれ述べたいと思います。

1. 毎日テレワークを継続することをオススメしない理由

働き方改革を成功に導くためには,「意識改革」,「業務改革」,「インフラ改革」,「制度・環境改革」の4ステップが必要です。

当社が提供する働き方改革のプロジェクトでは,整備まで1年,定着まで1年をみています。
単にテレワークを定着するとなると,当然時間は短縮できますが,それでも1年は必要だと思います。

今回テレワークに猶予なく突入したことから,どこもかしこも準備不足だったと思います。
自宅に仕事PCを送ってとりあえずスタートしたという企業も多いと思います。
当社もコンサルタントはノートPCとスマホを所持していましたが,全社員がノートPCではありませんでした。
また,テレワークの実施状況としては,月数回希望者に対してのみでしたので,
開始後にルールやインフラを随時整備していました。

① 制度・ルールの整備がおいつかない

テレワーク運用には,運用ルールだけでなく,テレワーク状況下での制度が求められます。
また,社内文書としてテレワーク規程も明文化する必要があります。

テレワーク運用の最低限必要なルールは,勤怠,報連相と社外連絡の3つです。
これさえ決まっていればテレワークによる大幅な効率低下は防ぐことできると思います。

勤怠,報連相のルールについては当社社員のブログをご参考ください。

<社員体験レポート>
社員 Eの場合
社員 IS の場合

ルールの作成に時間はかかりませんが,制度設計は多くの時間を要します。
制度には,テレワークの制度自体だけでなく評価制度も検討対象になります。
テレワーク制度では,対象職種はどうするかなどを決める際に,
社内格差をどうするかなどの課題がでてきます。
また,評価制度はプロセス評価が難しいため,成果の評価に比重が移ると予想されます。
そなると,成果主義に偏重するという課題もでてきます。
これらの制度設計は,ルール作りと違いすぐに結論が出せるものではありません。
ルールは比較的模倣できますが,制度は社内の状況や社風により違ってくるものなのです。
したがって,制度設計は社内分析などのステップを経て行うべきであり,
見切り発車の場合は,生産性が下がる恐れがあります。

② インフラ整備がおいつかない

テレワークのためのインフラは,ノートPCなどモバイル端末などハードウェアを支給すれば完了というわけではありません。
勤怠管理,WEB会議,チャットツール,セキュリティなどのソフトウェアも必要になります。
仮に自宅の wifi を利用するならば, wifi の速度もありますし,セキュリティチェックもありますし,職種によってはスペックなども留意しなければなりません。また,今まで紙ベースで処理していた作業を電子化しなければテレワークの足枷になります。

これらをそろえるには時間もお金もかかります。
ベンダー選定や納品だけでも数ヶ月はかかります。
助成金の活用を含めて計画的に行わないと中小企業への負担はかなり大きいです。

③ 意識改革がおいつかない

制度・ルールやインフラ整備ができたからといって,社員の生産性がすぐに向上するわけでありません。

会社に通うのは当たり前という世代もいます。家では部下は怠けると決めつけている管理職もいます。同様に若手社員も,どうすれば良いかと戸惑っていたことでしょう。
これらに対してトップから「コロナだから」ではなく,あらためてテレワークの会社にとっての意義を何度も伝える必要があります。

2. 週1日のテレワーク継続をオススメする理由

① 集中はパフォーマンスの要

当社は Before コロナから従業員に「集中タイム」を推奨していました。
業種柄,ドキュメント作成作業が多く,電話やメール,他者の質問などによる
作業中断がパフォーマンスに大きく影響していました。
一説には集中力を回復するには最低15分は必要になると言われています。
これを解消するためにテレワークを利用するというものです。
これは業種・職種に関係なく,必要な時間です。
在宅勤務中に集中できる環境を作るために手当てを支給する企業もあります。

他方で,日数を増やすと緊張感の欠如やコミュニケーション不足によりパフォーマンスは低下していました。これは,予想される課題ですが,テレワークの拡大する際の課題として取り組む必要があります。

② 働き方改革の潮流はとまらない

Before コロナの時代は「働き方改革」,「ワークライフバランス」が企業に求められていました。これは,少子高齢化という大きな本流からすると,After コロナでもなくならないでしょう。この流れに抗い働き方改革の代表格になったテレワークを終了させる企業は,
将来的に採用数や定着率に大きな影響がでてくるでしょう。

そう考えると,テレワーク を中止や終了という選択肢をとるより,
この機会を利用してルールやインフラを整備と定着をすすめ,アピールした方が有益です。

以上より「週1日のテレワークの継続」を私は中小企業にオススメします。

また,テレワークという勤務体系は,段階的に拡張に取り組む検討がなされるべきでしょう。
環境が整い従業員の意識も熟成されれば,在宅中心のスタイルの方が生産性は高くなるかもしれません。

副次的にテレワークは家賃などのコスト削減効果も生まれますので,「テレワークを続けるべきか?」という中小企業の命題は,すでに「テレワークによる経営効果をあげるには?」という命題に移っているのかもしれません。

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働き方改革コンサルタント兼ネクストプレナーズ社の社長。ワークライフバランス社認定上級WLBコンサルタント。「働き方改革」についての質問やブログの要望があれば、問い合わせフォームよりお気軽にお願いします。

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