【解説】リフレッシュ休暇制度とは?概要とメリット・デメリット

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リフレッシュ休暇制度とは、企業が従業員に付与する法定外休暇(特別休暇)のひとつです。

生産年齢人口の減少により採用難が続く昨今、社員のモチベーションや帰属意識を上げ、ひいては、業務効率を向上させられる制度として注目を集めています。

今回はリフレッシュ休暇制度の概要から、メリット・デメリットまで解説いたします。

リフレッシュ休暇とは?

リフレッシュ休暇とは、法定の有給休暇とは異なり、企業が独自に付与する休暇のことです。長期勤続の社員に対して、1週間などの比較的長い休暇を付与することが多い休暇制度です。

リフレッシュ休暇は法定外福利厚生のため、導入するか否かは勿論、有給にするか無休にするか、付与日数、付与範囲(勤続年数等)なども企業ごとに定めることができます。

但し、付与範囲については同一労働同一賃金の観点から、正社員だけでなく、パート等の非正規雇用従業員に対しても同様の条件(※)で付与する必要があります。
(※)正規・非正規を理由とするものではなく、単に「非正規社員が正規社員よりも勤務時間が少ないため、所定労働時間に応じた日数を付与する」等と規定するにおいては問題にはなりません。
参考:厚生労働省・短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針

以下、厚生労働省の平成30年調査結果を基に、リフレッシュ休暇の導入状況や付与日数の目安等を紹介します。
参考:厚生労働省・平成30 年就労条件総合調査の概況

【導入割合】

リフレッシュ休暇は、年次有給休暇や育児休業のように、法律で定められたものではありません。企業が任意で導入を選択できる法定外福利厚生(特別休暇)という位置づけであるため、導入している企業とそうでない企業があります。

厚生労働省の調査(上記「平成30 年就労条件総合調査の概況」)によれば、リフレッシュ休暇制度を導入している企業は全体の12.4%と決して多くない数字です。

【リフレッシュ休暇中の賃金】

また、リフレッシュ休暇中の賃金を有給とするか無給とするかについても企業が任意に決めることができます。

同調査によると、リフレッシュ休暇を導入している会社のうち、完全有給としている会社は97%となっています。
残りの3%のうち、1.2%は一部有給で、残りの1.8%が完全無休となっています。

つまり、リフレッシュ休暇の制度はあるものの、取得日数分の給料が減ってしまうことから、実際には取得しづらい会社もわずかですが存在しています。

【付与日数】

加えて、付与日数についても、企業が任意で定めることができます。

同調査によると、平均付与日数は5.5日となっていて、夏季休暇と同様の日数を付与していることになります。
取得方法(連続で取得可能か否か等)についても同様に、企業が任意に定めることができます。
仮に、「付与日数5.5日を連続で取得できる」という形の制度とした場合、土日を合わせると約9日間という、比較的長い期間休暇を取ることができます。

【現在リフレッシュ休暇を導入中の会社の規模】

会社規模別にリフレッシュ休暇の導入状況をみると、従業員数1,000人以上の規模の会社では47.6%と、半数近い会社が導入しています。
従業員数が少なくなるほどこの割合は低くなり、従業員数が30人〜99人の小規模な企業での導入率は、わずか7.7%に留まっています。

しかし、テレワーク導入の加速等により、今まで以上に各個人の業務内容の明確化と共有・把握が必要となっている昨今においては、休暇中の従業員の仕事をその他の従業員できちんとフォローすることができるなどの対策を取れば、中小企業であっても、長期間のリフレッシュ休暇を取りやすい環境を構築することは、それほど大変ではありません。

リフレッシュ休暇制度のメリット

法律で定められていないにも関わらず大企業の半数が導入していることからもわかる通り、リフレッシュ休暇には様々なメリットがあります。ここでは、代表的なメリットを4点紹介します。

従業員のモチベーションの維持

リフレッシュ休暇の導入によるメリットの一つ目は、社員のモチベーションアップにつながるという点です。
十分な休息がとれていない状態では、精神的にも身体的にも負担が大きく、最大限のパフォーマンスを発揮できません。
リフレッシュ休暇期間に十分に心身を休めてもらい、出勤時には高いモチベーションのもと、最高のパフォーマンスを発揮してもらうことで、企業にとっても業務の効率化、生産性の向上にもつながるメリットとなります。

また、勤務日と休日のオンオフをはっきりさせることにも繋がるため、結果的に従業員のワークライフバランスの向上も見込めます。

従業員の健康維持

メリットの2つ目は、従業員の心身の健康維持につながるという点です。
モチベーションの維持にも共通することですが、リフレッシュ休暇の利用により心身ともに休めてもらうことで、身体的な健康の回復は勿論、精神面でも回復につながる可能性が高く、従業員のメンタルの不調を未然に防ぐ手段となります。

優秀な人材の確保・定着

メリットの3つ目は、優秀な人材の確保・定着(離職や休職の防止)に効果的であるという点です。
リフレッシュ休暇制度は、先にメリットとして紹介した通り、モチベーションアップや健康維持が可能である制度です。
そのため、過労等による心身の不調を原因とする離職や休職のリスクが低く、従業員の定着につながります。

また、未導入の企業よりも多く休暇が取れるという点は、採用の際にアピールできるポイントとなりますので、優秀な人材を確保しやすくなります。

業務の棚卸し

メリットの4つ目は、業務の棚卸しの役目を果たすという側面です。
業務の棚卸しが進んでおらず、業務が属人化していると、該当社員不在の緊急時に代理対応できる社員がいなかったり、該当社員の突然の休職や退職時に充分な引継ぎができなかったりなど、企業にとっては大きなリスクをはらんでいます。
更に、最悪の場合、不正の温床になったり、業務効率化の足かせにつながったりする可能性もあります。

この点、予め定められたリフレッシュ休暇期間までに、余裕をもって、不在中の業務のフォローのための共有や引継ぎをしてもらうことで、業務の棚卸しの役目を果たします。
その結果、業務の属人化や、特定の社員への業務の集中が防ぐことができます。
これは特に中堅以上の勤続年数の長い(業務が属人化しやすい)社員の棚卸に有効です。

リフレッシュ休暇制度のデメリット

リフレッシュ休暇を導入することは、メリットが生じる反面、以下のようなデメリットが生じる恐れもあります。

業務が滞ってしまう可能性がある

複数の従業員のリフレッシュ休暇の取得時期が重なった場合、業務が滞ってしまう可能性があります。
リフレッシュ休暇は法定休暇とは違い、取得させる時期を「繁忙期では無い時期」と定めるなどある程度コントロールすることができるため、繁忙期と閑散期がはっきりしている業種の場合は、予め定めておいたほうがよいでしょう。

しかし、繁忙期では無い時期でも、多くの従業員がリフレッシュ休暇を取ってしまうと、作業の連携がうまくいかず、業務が滞ってしまう恐れがあるため、社内規定の整備や部署間との連携を綿密にする等、調整できるようにしておく必要があります。

企業としては、多くの従業員の取得時期が重なってしまった場合、時期をずらして取得してほしいところですが、一部の従業員の希望のみを通してしまう等の従業員間での不平等が発生してしまうと、不満にも繋がってしまう可能性があるため、注意が必要です。

業務の引継ぎの時間が生じる

従業員のうちの誰かがリフレッシュ休暇を取得する場合、業務の引継ぎが必要になることが殆どですが、業務量や業務内容、組織構成等によってはその引継ぎの時間が逆に負担になってしまう可能性があります。

取得しやすい従業員とそうでない従業員に分かれる可能性がある

業務の引き継ぎの件とも重複しますが、リフレッシュ休暇の取得については、業務の引き継ぎが容易か否か、緊急時に代理で対応してもらえるか等の業務上の事情により、取得しやすい従業員とそうでない従業員に分かれてしまう可能性があります。
その結果、一部の従業員に負担が集中する状況にもつながりかねません。

また、そもそも論として、リフレッシュ休暇制度は法定の休日・休暇に加え、休暇の日数を増やす制度であるため、現在部分的もしくは全社的に業務量が切羽詰まっているという場合は、業務の棚卸や効率化、人・部署間での分担等、業務の見直しから進めないと、業務の停滞による混乱を招いたり期日に間に合わなかったりなどの弊害が生じる可能性があります。

まとめ

今回は特別休暇のひとつであるリフレッシュ休暇制度について解説いたしました。
リフレッシュ休暇は、従業員には勿論、企業側にもメリットの多い制度ですが、デメリットでも挙げた通り、導入までに自社の状況(業務量や繁忙期等)を把握し、必要なところは整備しておかないと、いざリフレッシュ休暇制度を従業員が利用し始めた際に、企業にとっても従業員にとってもマイナスに働いてしまうリスクがある制度です。

本制度は生産年齢人口の減少により採用難が続く昨今、注目を集めている福利厚生のうちのひとつですが、リスクを最小限に抑えた上でうまく活用できるよう、自社に合った形で制度を構築していく必要があります。

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働き方改革サポ編集部
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