2020東京オリンピック・パラリンピックや小泉環境相の発言などで、日本でも広く認知されてきました『SDGs』。17のゴール・169のターゲットや「経営にどう取り込むのか」という話を進める前に、まずは現在の地球について簡潔にまとめてみようと思います。それこそがSDGsが採択された背景であり、私たちが行動する理由だからです。
目次
【Boundary ~限界~】
一言で言えば、地球は限界です。
なぜか? 答えは簡単です。
私たち人間が生きていくのに必要な(今の生活を維持するという意味で)資源が、世界人口に対して地球にはもう残っていません。
ただし、これは人間の目線から見た限界です。
まず最初に、現在の地球の”病”について正しく認識しておきましょう。
【9 planetary systems ~9つのシステム~】
私が小中学校で習った地球の病は主に「公害」と呼ばれるものでした。
京都議定書が採択された時期でもあり、煙突や自動車から出る大量の煙は明らかに人間にも悪影響があることが理解できました。
一方、オゾン層の破壊については紫外線が降り注がない為に何をすればよいのかわからず、砂漠化や森林伐採は衝撃的な画像を見る度に心痛めながら懸念事項に留まっていました。
あれから20年…現在の地球の”9つの病”をまとめてみます。
①不安定な領域を超えている…高リスク
・生物多様性の損失
・窒素とリンの循環
②不安定な領域…中リスク
・気候変動
・土地利用変化
③地球の限界の領域内…低リスク
・成層圏オゾンの破壊
・海洋酸性化
・グローバルな淡水利用
④不明
・大気エアロゾルの負荷
・化学物質による汚染
③の低リスクだからといって安心はできませんが、オゾン層の破壊については対策によって一定の効果が出ていると言えるのではないでしょうか?
一方で、当時では想像もつかないレベルで進行した病や、複数の病の原因となりえる新しい病原菌も出ている印象を受けます。
つまり、オゾン層のように対策がしやすいものを単発で進めて効果があるものは良いのですが、まだ関連性すらわからないものや、環境の改善と経済や社会でトレードオフとなる問題などについて、大変ではありますが同時に考えていかなければ解決策が見出せない複雑な状況になっていると言えます。
これこそがSDGsに17のゴールと169ものターゲットが内包されている理由なのです。
【Ecological footprint ~環境容量~】
最後に、クイズを2つ!!
第一問:「世界中の人々の生活を支える為には、地球何個分の資源が必要でしょうか?」
第二問:「もし、世界中の人々が日本人並みの生活を送る場合には、地球何個分の資源が必要でしょうか?」
皆さんが考えている間に解説します。
環境容量とは、私たちの活動で発生する二酸化炭素を吸収するのに必要な生態系サービスのことです。
活動で発生する二酸化炭素の「活動」とは、消費する資源の生産活動+実際に消費する経済活動、の和です。
一言でいうと、人間の活動による二酸化炭素排出と地球環境による二酸化炭素吸収のバランスのことです。
さて、クイズの正解は…
第一問:地球1.7個分!
第二問:地球2.8個分!!
許容量を超えてバランスが崩れ、地球が様々な病になっている、と考えるとわかりやすいと思います。
地球は本当に限界です。9つの病と抱えきれない人間を背負って今なお頑張っています。
またの機会に、SDGsについて様々な角度からまとめてみようと思います。
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