
人事の役割
企業には主要な経営資源が4つあります。ヒト・モノ・カネ・情報です。その中でもヒトについて、確保し活用することで業績が上がるように管理することが人事の役割となります。他にも人事の役割は多岐に亘りますので企業の規模によっては部署ごとに分かれることもあります。逆に、管理部門や企業の代表が兼任する場合も多々ありますので、本日は一度「人事制度」というくくりで整理してみようと思います。
人事の機能と人事制度
ヒトを管理する人事の機能について、①採用、②育成、③配置、④評価、⑤報酬、⑥循環、の大きく6つに分けることができます。これらを仕組み化して運用することを「人事制度」と呼びますが、使われる場面によって解釈が変わる場合があるので本日は2つご紹介します。
■広義の人事制度
幅広くヒトに関わる全ての制度や機能を指します。就業規則に関わる根底の部分から、福利厚生制度、従業員のモチベーション向上の施策まで含める場合もあります。
■狭義の人事制度
これに対して狭義の場合は、一般的に1.等級制度、2.評価制度、3.報酬制度の3つの制度を指します。上記の③、④、⑤の機能に当てはまります。狭義という解釈があるということは、ヒトに関わる管理の中でも特に重要な制度だ、と認識されていると言えるでしょう。
人事制度に求められる一貫性
企業の業績を上げる為にヒトを管理する制度なので、経営戦略に基づいて人事制度を構築する必要があります。また、人事制度内の個別の機能にも一貫性が求められます。例えば…
①採用では新卒採用を行っていながら、
②育成の機能が不十分で、
③配置では欠員のあった部署へと送られ、
④評価は新人にも漏れなく成果主義、
⑤報酬もインセンティブの比重が高く基本給が低め、その結果
⑥新卒の3年以内の離職率が平均より高く5割近い
大げさに書いているようですが意外とこういうケースあるんです。昨今の働き方改革を契機に人事制度の見直しをする場合は、経営戦略→狭義の人事制度→広義の人事制度の順番に一貫性を担保して進められることをお勧めします。


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