2019年12月5日~7日に東京ビッグサイトで開催されました「エコプロ2019」。SDGs Weekも同時開催中の為、さながら『SDGs EXPO』といった印象でした。初日の午後に参加しました環境省シンポジウムは事前申し込みで受付終了、写真撮影NG、紙資料なし(エコ)ということで、皆様に伝わるようトピックスをご紹介してみたいと思います。
【全体概要】
・気候変動への対応には「緩和」と「適応」があり、「適応」についての意識が日本は低い。「緩和」とは気候変動によるインパクトを減らす為の対応であり、「適応」とはインパクトにどう対応するか、更にそこにビジネスチャンスの可能性がある。
・登壇大手企業3社のBCP対応(一部CSR、SDGs)の発表。
・SDGs経営と中小企業ができることについての言及は少な目。
シンポジウムタイトルのうちSDGs経営と中小企業について深く語られず、サブタイトルの気候変動への適応については全体的にスポットが当たっている印象でした。それでもSDGsコンサルの視点でちょっと強引にまとめてみます!!ポイントは3つです。
【①適応の本質を知る】
「過去最高レベルの台風」が毎年のように発生する状況は本来異常ですが、このような状況に慣れるということではなくここから学んで対策を打つことが適応になります。自社の従業員や商品、施設などをいかに災害から守るのかということを事前に考てみてはいかがでしょうか。ゼロメートル地帯に拠点や従業員の住まいはありませんか?
交通の計画運休には当初批判の声もありましたが、素早く対応することで逆に大きな理解を得られています。自社の計画休業のルール、特に従業員や取引先への対応方針を議論することをお勧めします。「適応」への取り組みに力を入れることは翻って「緩和」への推進力をもたらします。SDGsのゴール3や13の達成に貢献する取り組みと言えるでしょう。
【②他社の適応を真似してみる】
今回私が伺った適応についてご紹介します(企業のもののみ)。
・職場に人感センサー、湿度計などを設置し熱中症リスクを減らすようデータ管理をする。
・重要な機械類は2階以上に移動する。
・原材料の調達エリアを分散させる。
・燃料の備蓄計画、及び電力供給ストップ時の為のソーラーパネル設置。
・災害発生時を0時と捉え事前に「災害対策本部」を設置する。
従業員や商品、施設を守ることが持続可能な経営に繋がります。これらはSDGsのゴール3,7,8に紐づけることができます。
【③新規事業としてのビジネスチャンス】
気候変動への適応は大きなビジネスチャンスです。例えば、30年前に塩分補給の飴が品切れになるまで売れたでしょうか?このように新しい社会の課題を発見して解決することが中小企業にもできる「気候変動適応型SDGs経営」だと私は考えます。
更にヒントとなるのが温暖化と毎年どこかでおきる不作・不漁のニュースです。2019年はリンゴや秋刀魚でした。これらの対応策としてまず守りの側面では品種改良や災害対策をしつつ、攻めの側面では新たな特産品を試すのが良いそうです。実際、山形では温暖化により有名なさくらんぼの不良が続き、これまで栽培に適さなかった果物が美味しく実るそうです。こちらは「気候変動適応型地方創生SDGs経営」として発信できると思います。SDGsのゴール2,3,11,17などに貢献できると考えます。
【まとめ】
企業が気候変動への適応を考えて取り組むことと、イノベーションによるトレードオフの解消で社会課題を解決するSDGs経営は非常に親和性が高いと感じました。それについてシンポジウム内で言及がないことは非常に残念でしたのでここでお伝えします!
SDGsを経営に取り入れることで気候変動適応の取り組みがスムーズに進みますので、詳しく知りたいという方は当社の無料勉強会へお越しください。1月は夜開催でトレードオフのゲームも行います!
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