その昔、社会人になって「研修」といえば、座学。いわゆる講義形式の研修です。90分間、受講者全員が前を向いて、90分から2時間にわたり、一方的に話を聴く。そして、習熟度を確認するために筆記テストをする。そんなイメージが研修でした。
人間の集中力は、そんなに長く続くものではありません。ましてや聞いただけで残る記憶はたかが知れています。ドイツの心理学者エビングハウスによれば、1時間後に覚えていることは44%、1日経つと1/3しか覚えていないそうです。
大げさな例で言えば、有名な講師の方が、2時間の講演会の後、受講者から「先生、今日のお話大変勉強になりました。ありがとうございました。」と言ってこられたので、うれしくなって「今日の話の中で印象に残ったことを3つ教えてもらえませんか。」と尋ねたところ、一つしか返ってこなかったそうです。
それだけ感動しても、2時間の講演の内容を覚えていることは一つだけ。決して極端な話ではないと思っています。
この座学形式の研修に対して、初めてアクティブラーニング形式の研修に触れた時、これからの研修はこうあるべきだと思いました。それから年月を経て今や文部科学省の学習指導要領にもアクティブラーニングが載るようになりました。
座学研修が聴覚中心の聴く研修であるのに対して、アクティブラーニングは五感を駆使して学ぶことにより圧倒的に身につくものになります。
アクティブラーニングは座学に対して圧倒的にメリットが多い学習方法です。
しかしながら、デメリットも理解して研修設計をしなければ、効果が半減どころか逆効果となることも良くあります。
アクティブラーニングの研修設計で考慮していることを次の機会に書きたいと思います。
- 第4回コロナウィルスに負けない研修 - 2020年6月18日
- 第3回コロナウィルスに負けない研修 - 2020年6月12日
- 第2回コロナウィルスに負けない研修 - 2020年6月4日