SDGsの大きな特徴の1つに経済・環境・社会の3つの側面を総合的に考える、というものがあります。これまでSDGsの背景について環境と経済の観点から記事にまとめました。最後は”社会”に関して、キーワードの「CSR」と「ミレニアル世代」を中心に整理してみます。
目次
【Corporate Social Responsibility ~企業の社会的責任~】
皆さんは「CSR」と聞いて何を思い浮かべますか?
慈善事業、地域の清掃活動、寄付、など。。。
CSR=ボランティアというイメージがある方もいるかもしれません。
また、これらについて内容を伴わずに過度に発信する企業も出てきてしまいました。
その結果、ISO26000の主題に基づく”本来の企業活動の範囲で関わる社会との接点”、と、”CSV=共通価値の創造を目指す課題解決型の社会との接点”、の大きく2つの切り口にCSRが分けられてきたのではないかと考えます(個人の見解です)。
前者はCSRの歴史が長い欧州の定義づけに近い捉え方ですし、日本においては前述の企業のボランティア活動などもしっかりと理由付けがあれば社会との接点として成立し、そこに責任を持てば良いのではないでしょうか。
「CSR=ボランティアではない、けしからん」「CSRとCSVの違いを明確にしないといかん」
このような意見が出るのはもっともですが、このような議論がはじまると、次は、
「SDGsとCSR、CSVの関係は?」など議論が長期化してしまいます。
私がいつも伝えていることは、「SDGsについての行動は急を要します。CSRやCSVとの違いを知りたければ唯一の決定的な差異は”時間軸”です。2030年までに世界を変える、という目標に向かって今すぐ行動するかどうかが違うのです」と。
議論に時間を費やさずに、CSRやCSVという考え方が土台にあればよりSDGsを経営に取り入れるのが容易になる、と考えてすぐに行動をするべきではないでしょうか?
※SDGs,CSR,CSVについて、どうしても整理したい方はコチラ↓↓↓
【Millennial Generation ~ミレニアル世代~】
一般的に、西暦2000年以降に成人になった世代をミレニアル世代と呼びます。なぜここでSDGsの社会的背景としてミレニアル世代を取り上げるかと言うと、理由は3つです。
①彼らの考え方がSDGsと親和性があるから
物心付いた頃からインターネットや携帯電話があり、便利さや物質的豊かさでは満足しない。
モノ消費からコト消費へ、また製品やサービスのストーリーを重視する。
環境問題に敏感で、災害などのボランティアに関わる行動力がある。
②彼らは消費者・労働者として厳しく企業と世界を観察しているから
社会への貢献性を重視しており、企業の取り組みに共感できるかどうかが判断基準。
エシカル消費に代表されるように環境、サプライチェーン、CSRまで見ている。
③企業内においても地球上においても、2015年~2030年(=SDGs)の主役となるから
企業であれば、新人~管理職まで幅広く分布している。
彼らが企業に留まるか、活躍するかどうかが企業の未来を左右する。
子供を持ち始め将来の為になることをしたいと考えている年齢層も含まれる。
【SDGsを経営に取り入れるということ】
背景②でお伝えしましたファストファッションの不買運動も中心はミレニアル世代でした。彼らには、世界と企業を変える、また存続させるパワーがあります。持続可能な社会とゴーイングコンサーンの実現に向けて彼らに十分力を発揮してもらうには、周りの理解とサポートが必須です。
SDGsを経営に取り入れるということは、つまり「SDGsというメガネをかけて自社(もしくは世界)を見ること」と言えるのではないでしょうか。
それはミレニアル世代には、場合によってはメガネなしで見えている世界かもしれません。経営者や人事の責任者、広報やCSR担当者が先頭に立って全社的にメガネを準備することが、世界と企業を変える第一歩だと思います。
難しそうだな、自社には関係ないな、という方もまずはメガネをかけてみてください。SDGsを社内の若手との共通言語として利用し始めて、社会的責任や社会課題解決に応用し、企業として取り組みができたら発信する、というステップを刻めば決して難しくはありません。
SDGs経営にご興味いただけましたら、一度当社の勉強会にお越しください!
世界基準のメガネを試着してみませんか?
▼詳細・お申込みはこちら▼
- 「思考力アップ」が先か「時間確保」が先か…ヒントは”自転車”??? - 2020年6月22日
- 管理職の95.8%に足りていないのは「思考力」と「時間」 - 2020年6月9日
- withコロナ時代のマネジメント力強化方とは? - 2020年5月29日